読書 : 葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)、読了。
題名から恋愛小説?と思われるかもしれませんが、あっと驚く大どんでん返し系のミステリーです。いや広義では恋愛小説に含まれるかも…。そして題名の意味は小説の最後の段落の最後の行辺りで説明されます。なるほどと合点がいき感動した。
最初にあっと驚いた箇所は実は大してインパクト無くて。なーんだ使い古されたトリックですなぁと思いきや…。

同様のトリックが…畳み掛けるようにこういう構造になっててさらにこうなるとは…。やられた。
アマゾンのレビューでは**トリックってトリックの名称を書いちゃってる人何人もいますがそれだめだって。**トリックと書いただけでトリックの中身は分からないと思っているかもしれませんが、この場合はバレちゃう可能性あるので…。驚きたければアマゾンのレビュー読まないのが吉。
物語は主人公が事件に巻き込まれ、探偵として奮闘する様が青春冒険活劇としてスカっと爽やかに描かれていく。
で、時間軸は幾つかあって主人公はそれぞれで大活躍。それらがカットバックで行き来していくが混乱はしなかった。それら全く関係無いと思われた物語が…見事に収斂して一つに収まるところは秀逸。
読んでる最中に何か違和感があって2,3回巻き戻って再読したのですが、最後の謎解きでその違和感の謎が解けた。その違和感は読書の障害になることも無く、また全く感じないわけではないというちょうど良い引っかかり方の違和感だった。その違和感の塩梅がすばらしい。これこそ筆力、構成力、才能なんだろうな。すばらしい。読後に謎解きの確認の意味であちこち再読した。なるほどでした。

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