読書:バイオスフィア実験生活―史上最大の人工閉鎖生態系での2年間

バイオスフィア実験生活―史上最大の人工閉鎖生態系での2年間読了。

バイオスフィアっていうのは閉鎖環境のことで巨大な(約1.2ヘクタール)ガラス張りの建物の中に熱帯雨林、海、家畜などのミニ地球を詰め込んでます。そんで研究のために2年間8人が過ごしました。実験として。そのドキュメント本です。無茶しますなぁ~。

昔、これの小さい版が…家庭用があったような…。密閉されたガラスのボールに水と空気とエビと海草?藻?が入っていて炭酸ガス→植物→エビが食べる→排泄→肥料→植物……

という密閉型循環環境が売っていたような…。たしか水と空気の割合も絶妙で、でも大きさが大きさだけに光当てる時間とか温度の維持が大変だった?って調べてみた。

ビーチワールドホロホロっていう商品名ですね。

結構、商業商業した検索結果ばかりだなぁ、エコと称して?

本書はこれの巨大版です!?逆かな?

1.2ヘクタールってことは100m×120m、かな?結構巨大です。あ、研究サンプルの出し入れをしてたので完全閉鎖系ではないです。電源の供給もありです。とはいっても宇宙船の航行時も電源は太陽電池で取れるからいいでしょう。

この実験施設の名前は「バイオスフィア2」と言います。1はどこにあるのか?というと地球のことなんですね。へぇ~なるほど!いいネーミングです。

食い物は自給自足。だから農作業が結構な労働時間を占めます。家畜のメンテも大変。また堆肥の制作などちょっとしたことが炭酸ガス濃度にインパクトを与えるので、きめ細かな観測と行動計画が必要。故障などにも対応できるようにかなりの機材、工作機械があらかじめ持ち込まれている。身体の変化も研究するので医者も8人のうち2人。でも虫歯から何から対応できるように軍で医学の勉強しなおりしたりとか大変な準備が。

ノアの箱舟の現代版とも言えるか。そしてそれがまさに宇宙旅行だったりして。最近ホーキンス博士も人類は他の惑星で暮らすべきという主張を。核戦争や隕石衝突に備えてのリスクヘッジだと。でも現在の化学燃料だと到達に5万年かかるってさ…。

あと、LOHASとかいう流行言葉の持続可能な環境、サステイナビリティの実験にはこれ、そのものだよね。

とはいいつつも小生LOHASに対してはやや不信感があるのです。そんな大そうなことを言えるのは宇宙船「地球号」の1等客室に住んでいる先進国の人ばかりでしょうしねぇ。

2等、3等客室の後進国からしてみればそんな悠長なこと言いやがって、焼畑農業は続けるからなっ!みたいな?

この実験がLOHASのもう一つの側面、健康についても象徴している面があります。

人間が暮らしていけるだけの環境の持続に特化した農作物、家畜の生態系を維持していくと人間も健康に成らざるを得ないというか自然と健康になってしまうのです。つまり、豆とかが重要な栄養源となり肉は中々取ることが出来ない貴重なものになるとか。8人はだんだん痩せて行って健康体になります。コーヒーも栽培していたのですが、重要なお祝いな時だけに飲むとかになったそうな。原始部族社会であればこれは重要な儀式とかになるのかもね?お酒とかもかね。。

追記:
コメント欄をそのままコピペしておきます。
Comments
ysn December 6, 2006 11:00 PM
これってけっこうぼろぼろだったのでは? 俺の記憶では、炭酸ガスがふえすぎたとか、酸素足りずとか木はかれまくったとか。
返信
1vv4 December 7, 2006 12:47 AM
本だとそうでもない印象。でも炭酸ガスの濃度コントロールはかなり難儀だった模様。やっぱささいなことでインパクト大。天気の影響も。いくら巨大ドームと言っても地球に比べたら小さすぎ。地球のもつホメオスタシス?が機能しないというか。そこを機器で計測して人力でコントロール…。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A22

「例えば熱帯雨林の木はすぐに枯れてしまったが、これはバイオスフィア2の中に風がなかったため、木が自らを支えようと幹を強くすることを怠るようになったためだという。このように生態系は様々な複雑な要素が微妙なバランスを保って維持されているのである。」
これだとボロボロな印象ですが。
やっぱ大変なのは間違いない。本は参加者が書いてるしね…。

コメント

  1. ysn より:

    これってけっこうぼろぼろだったのでは? 俺の記憶では、炭酸ガスがふえすぎたとか、酸素足りずとか木はかれまくったとか。

  2. 1vv4 より:

    本だとそうでもない印象。でも炭酸ガスの濃度コントロールはかなり難儀だった模様。やっぱささいなことでインパクト大。天気の影響も。いくら巨大ドームと言っても地球に比べたら小さすぎ。地球のもつホメオスタシス?が機能しないというか。そこを機器で計測して人力でコントロール…。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A22

    「例えば熱帯雨林の木はすぐに枯れてしまったが、これはバイオスフィア2の中に風がなかったため、木が自らを支えようと幹を強くすることを怠るようになったためだという。このように生態系は様々な複雑な要素が微妙なバランスを保って維持されているのである。」
    これだとボロボロな印象ですが。
    やっぱ大変なのは間違いない。本は参加者が書いてるしね…。

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