クローバーフィールド/HAKAISHA
冒頭がいきなりTVのカラー調整バー。
字幕と秒読み。
Department of Defense、DoDの機密動画、らしい。SDカードの動画より採取された?的な?
字幕でこのテープはかつてセントラルパークとよばれた所から回収されたと表示。かつて、ということは現在セントラルパークは…?
イケメン君が家庭用ビデオで撮影している所から始まる。N.Y.のセントラルパークそばのアパートメントのベッドで彼女とイチャイチャしてる所とか遊園地に行ったりを撮影。急に映像は飛んでパーティーの準備している映像へ。
どうやらイケメン君は出世して日本に栄転らしくそのサプライズパーティーの準備風景。今度はイケメン君の兄が撮影しています。パーティー参加者にイケメン君へのメッセージを撮影しないといけないのですが、後輩君に任せちゃいます。しっかり全部撮影しろよ、と命令。結構ちゃらんぽらんな兄。
というようにパーティーでの風景、メッセージなどが登場人物のイントロダクションになっているのはうまい。性格付けから紹介を自然な形で一気に進められるし。
んで、冒頭の女性が実はイケメン君の彼女ではなくて痴話喧嘩の様まで撮影しちゃう後輩君…。
この辺の導入でずっとPOVでイケる説明に。
と、突然轟音が鳴り響き地響きが。地震かな?と思ったらTVではタンカーの座礁があったと。しかもそのビルの近所で。屋上に上がれば見えるかもとみんなで見に行ったら何やらビルの向こうで大爆発が!慌てて階段駆け下りる面々達。と遠くから爆発とともに何か巨大なものが道路に飛んできます。それがなんと自由の女神の頭!
チラッと何かが写りますがエンパイアステートビルが轟音と共に倒れていくのも見えます。
そこからは逃げ惑う群集。ディザスタームービー特有の切羽詰った群集心理のモブシーン。
そしてPOVでワンカットっぽく見えます。
ビルが倒れてきて店に逃げ込みますが。なんとか外に出るとホコリが散乱しまくっててホコリまみれの人がうごめくのは911テロの風景とそっくり。
そしてビデオに写ってるはずだ!と周りの人と盛り上がって巻き戻って再生すると冒頭の彼女とのデートシーンがチラッと。
その後、周りの人がそんなデカい生き物って有り得ないよ!って。
橋を渡ろうとするのですが、少し離れた前にいる兄が空?から来た「何か」に吹き飛ばされて橋ごと粉砕されて消え去ります。
そして仲間割れ。主人公の通話してる携帯からかすかに聞こえ漏れる音声。
この辺のディザスターものの群集心理のパニック行動は真に迫っているド迫力です。
POVがかなり効いてる。でも撮影どうやってやったんだろう…?
ここから先はネタバレなんでほとんど語れませんが。
軍がとにかくがんばります。でもダメ…。そして戦車!でもダメ…戦闘機攻撃機…、さらには…。
そしてなんとか?百貨店の?地下を利用した軍の臨時仮設基地に合流。
軍人にアレは何なんですか?と聞くと、何だか分からんが歯が立たん!て。
その「何か」が徐々に徐々に見えていくチラリズムが恐怖を煽ります。このチラリズムはホラー映画のお約束でもありますがスケールが異様にでかいし手持ちカメラ&逃げ惑う大衆、混乱するN.Y.は911の各種映像を思い起こさせるし。というのもあってやたらリアルに迫ってきます。
全編手持ちムービーなのでブレア・ウィッチ・プロジェクト同様カメラ酔いする人にはつらいかも。
でもカメラの視点なので俯瞰はほとんど無く一般大衆の視点でディザスターを映画全てを通して表現しているのは新しいかも。この視点は冒頭からエンドまで揺らぎ無く全て貫き通してます。俯瞰が無いのでいろいろ表現が大変だと思うが逆にリアリティーを感じさせるのに成功していると思う。
か、あるいは逆に色々誤魔化せている?、気もしてきたな。
まぁ後輩君がありとあらゆる……ほとんどの緊迫状態でも撮影しようとしているのが一番天晴れ!だと思うのです…プロじゃないのに…(笑)。あ、ちゃんと後輩君が撮影出来てないシーンもちゃんとありますよ!プロじゃないので。でも911以降なのでこのビデオ売れるかも?みたいな打算もあるのかも、というのは描かれてませんが。
と、ここまで書いて気づいたのですが、上記のように素人撮影という体での撮影&ストーリー仕立てって設計がかなり大変だと思った。不自然じゃない様に荒くしてかつ観易くしないといけないので。ブレア…は荒過ぎるので比較になりませんが。あ、ブレアはブレアでネタ的にやったもん勝ちなので、でネタを知らずに観たら最高ですよ。小生はネタを知らずに観たので良かったです。
下記は本作のネタバレ。
エンディングのクレジットロールで…
本作のプロデューサーのJ.J. AbramsはTVドラマLostとかAliasで有名。またMission: Impossible IIIの監督でもある。
MI:3のプロモーションで日本に訪れた際…
てことは…。これって怪獣映画の新たな描き方なのよね?KAIJUへのオマージュ作品か?
wikipediaでは冒頭で怪獣映画、って書いちゃってますが、それダメよなぁ…。
町山智浩さんのポッドキャストによるとMI:3のプロモーションで日本に訪れた際、おもちゃ屋で怪獣のソフビ人形を見て着想を得たらしいです。
IMDbのtriviaによると役者は契約書にサインするまで脚本を読む事が出来なかったとの事。売れっ子プロデューサーの作品とはいえこれは役者にとっては大きなリスクですが。同様に宣伝でもディザスタームービーというのは分かるがそれ以外は大分どんな映画か分かりにくくしてましたし。情報飢餓戦略で煽ってましたね。
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