映画 : ドリームズ・カム・トゥルー

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映画、ドリームズ・カム・トゥルー [DVD]ご鑑賞。ドリカムとは全く関係ない米映画です。

しかしこの邦題はひどいと思う。この映画のこと知らない人には、先入観を与えてしまうはず。が、そもそもこの作品は日本では劇場未公開のDVDスルーで知名度もかなり低く、これが観たくてわざわざ探すような人じゃないと手に取らないような映画なんで邦題の影響はほとんどないか?と、思いきや...。ちょっとした影響があったのは自分でした。英語原題名でツタヤで探していたためなかなか見つからず。しかも店員にレジ端末で在庫検索してもらいました。それも原題のカタカナ読みで。有る訳無し。お店出るときに邦題があったことを思い出して検索してもらったら在庫有り...。てことでようやくレンタル出来ました。

原題はこれ。
Akeelah and the Bee (IMDB)

スペリング・ビーに関するドキュメント映画は昔ありましたが、これはフィクション。ストリームのポッドキャストで町山智浩が紹介していて、かなり面白そうだったので鑑賞してみました。

spelling beeってのはアメリカの小学生は少なくとも一度は経験するそうなのですが、英単語のスペルを正しく言えるか、っていう大会のこと。(beeには会合、集まり、という意味も有る。) 学校内の大会から地区大会、州大会と勝ち上がっていって、最終的には全米大会まである。それの何がすごいかって言うと、1回でも間違えるとほぼアウトなところ。間違えた人は脱落していきます。残り人数が少なくなってきた場合で同じ回に全員が間違えた場合は、その回を再び繰り返すことになるので間違えてもセーフな場合もあります。

スペリング・ビー公式サイト
Scripps National Spelling Bee
ESPNが放送している。ポーカーの大会も放送してますがこれもスポーツの一種と捉えられているのかな...。

プレッシャーも半端じゃないらしい。勝つためにはスペリング・ビー専門の勉強を死ぬほどしないとならない。映画でもその辺は詳細に描かれます。

主人公アキーラは父親がおらず、さらに治安が悪い地域の貧しい学校に通う中学生。でも単語のスペルテストでは勉強もしないのに満点。校長はそこに目を付け彼女を学校の予算獲得のためにスペリング・ビーに出場するよう促します。ローレンス・フィッシュバーン演じるララビー博士は元UCLAの英語学科長。コーチを担当することに。最初は何かと衝突する二人ですが、徐々に理解しあう二人。
勝ち進んでいきますがでも大会はそんなに甘くない。子供たちがここまできつい真剣勝負に対峙するのはやや残酷ですが、そんな中にちょっとしたユーモアもあるのでメリハリが効いてます。それに交差して描かれる現実の生活も甘くない。ライバルたちやその家族、自分の家族もキャラがしっかりと立っています。博士の家族のことも徐々に明かされていきます。青春スポ根もの?、かつハートウォーミングで良い映画です。

さらにこの映画にはSTARBUCKS ENTERTAINMENTが製作に関わっています。

Starbucks Entertainment [us](IMDB)
 - # Akeelah and the Bee (2006) ... Production Company (co-produced)

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そして、英単語の何が難しいか?というのをそのポッドキャストでは詳しく説明してたのですが、英語の成り立ちに関係があります。

「英語 成り立ち」とか「英語の歴史」などで検索すると少し分かります。

借入言語としての英語
http://www.rondely.com/zakkaya/his/borw.htm
英語は、その誕生以来実に多くの語彙を他の言語から借入してきました。ラテン語、ギリシャ語、北欧語、フランス語、アラビア語、オランダ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、ロシア語、インド諸語、アフリカ諸語、中国語、日本語など、その借入元言語は枚挙にいとまがないほどです。

(中略)

英語本来の言葉は綴りが短く、使用頻度も高く、口語的な感じが強いのに対して、外来語は綴りが長く、頻度も低く、フォーマルな感じが強くなります。ニュアンスの範囲も本来語に比べると限定されています。
↑ 非常に分かりやすい

例えば日本語語源で英単語にもなっているものはtsunamiとかsarakinとかが有名ですが、町山さんがポッドキャストで言っていたのは、「honcho」という単語。これは知りませんでした。

goo英和辞書(Exceed)でhonchoを検索
〔米俗〕 責任者; ボス.
↑ これですが、日本語の「班長」が語源です。
下士官 > 兵科の下士官 (Wikipedia)

下士官は、内務班長(陸上自衛隊の営内班に相当する)の任に就くことが多く、そのため兵卒から下士官へ呼びかける際に「班長」と呼称することが多かった。これを第二次世界大戦中・進駐後の日本・朝鮮動乱中の韓国軍との共同行動中などに見聞したアメリカ兵によって、honcho(班長)の語が英語に流入することになった。

あと、他にも日本語語源の英単語で知っているのは、「tycoon」です。
[Jap.「大君」] n. 幕末の日本の将軍; 実業界の大立者。

大君から来てます。railroad tycoonとかいうと鉄道王のことです。Media tycoon Rupert Murdochはメディア王、ルパート・マードック、とか。

あとfutonも布団のことです。昔、アメリカ行ってたころCMで普通にfutonの宣伝してて驚いた。

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って日本語語源の英単語だけでも上記のようなものから始まって膨大な量があります。これが上記引用のようにラテン語、ギリシャ語、フランス語...と各言語を語源としたものがあって、おそらくそれらは日本語語源なんかよりはるかに多いと思われますからその膨大さが分かるでしょう。

もちろんスペリング・ビーでは暗記も重要なのですが全てを暗記するのは不可能なのでロジカルに推測する手法も重要です。映画の中でも出てきますが、出題者はまず単語を発音します。回答者はいきなりスペルを回答してもいいのですが、何語語源かと単語の意味についてのみ質問してよいのです。似たような発音の単語でも意味を聞けば間違えようが無いので。

さらに語源が分かると何々語の場合はこのつづり方はありえない、など大きなヒントになるようです。
映画に出てきたのは、ララビー博士の家のシーンでブドウ球菌(staphylococci)を、アキーラは間違えるのですが、ララビー博士はこれはギリシャ語源だからFが付くはずが無いと。他にはラテン語源だからCの後にHが付くとか。翼手竜はPから始まるとか。

あと映画の中では単純な記憶法、上記のようなロジカルな手法以外もちょっと描かれます。ララビー博士のレッスンに出てきますが普通に文学を読む方法。単語は普通に文章の中に現れるので。
あとは長い単語は短い単語の組み合わせなので各国語の短い単語を暗記するとか。この辺のレッスンのくだりも非常に面白かったです。

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んで日本でこれに近いものあるかな...と考えたのですが漢検が近いのかな。大会ではないしテストなのでスタイルは全く違いますが。

映画に出てくる単語をちょっと調べてみたのですが、こないだ書いたエントリ「i英辞郎」で引いても出てこない単語多数どす。vivisepultureが「生き埋め」...。

追記:090612
vivisepultureはsepultureが埋葬で、viviはvividとかのように活き活きとした、とか生命に関連した語源?らしいのでロジカルにも意味が分かるし、そんな難しい単語じゃないかもです...。

と思いきや

http://allabout.co.jp/gm/gc/59384/

というように決勝問題のようなのでこれで勝敗が分かれたということでは難しい問題だったのかと思います。