震度0、読了。
冒頭に登場人物の氏名と役職名、部署名(刑事、警備、警務、交通など)。さらにキャリア、ノンキャリア、そして準キャリアの表記。官舎地図、県警本部庁舎地図。
この表と図を度々参照することに。準キャリアというものも初めて知った。この辺も本編中に詳しく説明が出てきます。
阪神大震災の朝から物語が始まる。N県警は神戸には微妙な距離。応援は出さないと本庁指示。
それは置いといてこのN県警では警務課長が失踪する。地震とは全く関係無く役職、部署、キャリアが捩れて、入り混じって交錯する思惑、謀略。
各章が冒頭に説明があった人物の主観で描かれる。各章ごとにそれが入れ替わるという手法。各章は短いものでは1ページとか。細切れで移り変わる。最初は混乱したがすぐ慣れます。
失踪した警務課長の自宅の机の中には何が…。是非とも開けたい人、開けたくない人。警務課長の奥さんに誰がどうやって接触するのか。さながら机の中の争奪戦の様相に。
警察内なので暴力は無いですがすさまじい争い。欺瞞情報を出しても揚げ足を取られるので情報を小出しにしたり、情報を隠したり。隠されたので、こっちもしばらくの間、隠すという陰湿な報復。その他、権謀術数の限りを尽くした権力闘争
警察ネタの読み物は記憶にある所ではゼロの外事警察ぐらいしか思い当たらない。
でもこれもスパイではないけどエスピオナージュ的な匂いがぷんぷん。組織内で、各組織を挙げて、上司と部下と、様々な駆け引きが延々と蠢く。
最後のカタルシスはすさまじかった。読後感も圧倒的で満足。最後の冬木対その他の会議の件は何回も再読してしまった。
著者は、横山秀夫ね。半落ちの。うーん全くこの辺押さえてなかった。ブックオフで色々揃えちまっただ。
調べたら、映画化されてたのね。震度0 [DVD]。
上川隆也が冬木役か。これはちょっと見てみたくなった。
コメント