読書:自衛隊失格:私が「特殊部隊」を去った理由

自衛隊失格:私が「特殊部隊」を去った理由、読了。
先日読んだ同著者の伊藤祐靖氏の読書メモは下記。
読書:邦人奪還: 自衛隊特殊部隊が動くとき
邦人奪還: 自衛隊特殊部隊が動くとき(Amazon)
そして本著の紹介文。

勤続20年、捨て身の自伝で
「非戦」の「軍隊」の現場を、今明かす!
不良気取りか「お口半開き」かミリオタしかいない二等海士時代、
平時にしか通用しないリーダーを育てる幹部候補生学校を経て、
魂の抜け殻の防衛大生を教え、世界を股に掛ける軍艦乗りに。
イージス艦「みょうこう」航海長として北朝鮮の工作船と対峙した
ことで、立場は一変し、自衛隊初の特殊部隊創設へ──。
しかし、司令官は「映画『007』から戦術を学べ」という
相変わらずの「お花畑」……それでも「特殊部隊」では本気だった。
これが自衛隊員のリアルか!?
はじめに
第一部 軍国ばばあと不良少年
高校で人生が一八〇度変わった
生きていくには金が要る
父親とサシで語り合う
父の受けた暗殺命令
根性論は完全否定する
痛快な「勝利の法則」
約束された体育教員への道
軍国ばばあの昔話
なんでまた自衛隊なんかに?
陸軍中野学校出身の父は
遺髪をおいての入隊
女々しいことをするくらいなら死を
第二部 幹部になるまでの「学び」
変なことだらけの自衛隊
取り返しのつかない過ち
他律的な新兵教育の毎日
塀の内側の山本五十六
脱走と捕獲の日々に
脳ミソは筋肉でしかなかった
生まれて初めての試験勉強
「幹部になるための試験」
分隊長の呼び出し
横須賀教育隊二五一期練習員
「命より大事なものは?」
軍艦乗りの始まり
アジフライと感謝の言葉
江田島の幹部候補生学校へ
セーラー服にアイロンをかけて
遵法精神を学ぶシステム
「赤鬼」「青鬼」への面従腹背
人としての器の違い
未体験の肉体の使い方
七階級降格の恐怖
海軍の「先輩」たちの遺書
二度と振り返るな
寄港地の駄目ジジイたち
実習生の評価基準
ハンモックナンバーの順位争い
米国陸軍大佐の語る「ベトナム戦争」
第三部 防衛大学校の亡霊たち
こんな自分が指導教官に?
防大での三つの顔
自衛隊内でも特異な防大
魂の抜け殻たちの行進
彼らのジレンマ
米を食べるとパワーがつく?
二〇歳前後ですでに「中年自衛官」
上陸作戦用の巨大軍艦
米軍らしい膨大な準備
若者は成長する
卒業生が帽子を投げる理由
女子大の担当の先生になる
非常時に立ちはだかる常識の壁
何のために生き、死ぬのか
第四部 未完の特殊部隊
航海長として着任す
緊急出港の下令
拉致船との遭遇
帰投する巡視船
海上警備行動の発令
突然止まった工作母船
総員戦闘配置につけ
命令が間違っているという確信
特殊部隊創設への道
忘れられない三つのこと
愚直なまでに命令に従う
サンディエゴのコーストガード
無茶な特殊部隊の創設準備
『007』をすべて観ろ
特殊部隊一期生
ひがみ、やっかみを超える
人間の肉体はどこまで耐えられるのか
もっとも重要な隊員の素質
潜水訓練中、事故発生
「訓練を中止しないでください」
いったい何が起きたのか
事後処理の理想のかたち
はだかの王様になりたくない
突然の異動の内示
なぜ退職に至ったのか
「生きていたい」本能を外す
ペナルティーと実行の天秤
自衛隊失格
あとがき

そして小生のブログで「特殊部隊」でググって該当した記事は下記。
やっぱ特殊部隊好きみたいね…。サバゲー経験の記事もヒットしていますが…。
読書:デルタ・フォース極秘任務―創設メンバーが語る非公式部隊の全貌
読書:SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録
読書:現代の特殊部隊
読書:コンバット・バイブル〈3〉特殊作戦部隊編
読書:COMBAT SKILLS 2
読書 : 虐殺器官
読書 : 最高処刑責任者
日記 : 初サバゲー(超面白)
映画 : ワールド・オブ・ライズ
読書 : レインボー・シックス
私が特殊部隊が好きなのはやっぱサイエンスだからかなと思い直した。ただ意味も無く命令に従うのではなく任務の達成の為にどうすればいいのか?合理的に科学的に考えて達成を目指す事が必要で最適だからだ。
そういった意味では大東亜戦争は、「オカルト VS サイエンス」だったかと思う。これは英霊を侮辱している訳では決して無く。
著者は日体大で陸上選手でスポーツ科学を学び…色々あって入隊。
運動バカの脳味噌筋肉(失礼!)だったのに幹部候補生試験に合格、学校を経て幹部に。
そして防大で教官も。
その際の著者の祖母の「軍国ばばあ」の話も面白い!完全に軍国主義のままの?思考なので…。防大卒業式終了時に帽子を宙に投げて解散、の件も官品を(陛下からの恩賜の…)投げ捨てるとは何事か!と…。
「今の帝国海軍は、なぜ官品愛護の精神を教えない」と…。
「天皇陛下からお預かりしている軍帽を投げ捨てるとは、何事か。そんなことを、あなたは、なぜ許した」と…。
著者はそれについても深い考察。たしかに官品だが米国のウエストポイントの士官学校の伝統を中途半端に受け入れた為かと。米では官品ではなく、私物なので。
大きなターニングポイントは著者が実際に乗船時に体験した1999年の「能登半島沖不審船事案」による。北朝鮮の工作船が日本から離れていっているのを発見。日本海で漁船だらけだが偶然が重なり発見出来て。
海上保安庁がまず対処に当たりますが…。燃料が帰港に足りなくなるので帰還すると。
著者激怒!オイ!その船に日本人が拉致されてるかも知れないんだぞ!燃料足りなくなって止まってもいいから追いかけろよ!
そして著者の艦に発令された命令…。工作船への立入検査…。
って違法漁業の漁船への検査じゃないよ?北朝鮮でもTop of the topの超弩級練度の特殊部隊員が軍装完全フル装備で乗船している船に乗り込むのよ?
そしておそらく向こうは捕まるより死を選ぶので無茶な抵抗してくるの間違い無し。自爆装置もあっていざという時は爆破、自沈するはず…。
乗り込む隊員は勿論、そんな訓練を受けたことも無い普通の若い乗船員…。雑誌「少年マガジン」を防弾チョッキ代わりにガムテープで体に巻き付けて。
「行ってきます」だと!お前ら皆死ぬぞ!
結局工作船は逃げて、立入検査は中止。
本事案を元に小渕政権が素早く動き、自衛隊初の特殊部隊を海上自衛隊で設立することに。
著者は設立要員に志願して設立の中心メンバーに。
無茶な期間、無茶な工数を無茶な少人数で。
そして特殊部隊とは何か?特殊部隊員とは何か?特殊部隊に必要な資質、教育、設備等などに直面する…。
そして隊員にはとにかく疑えと。俺も疑え訓練も疑え。疑問が解消できない訓練は拒否しても構わんと。
通信等断絶した場合は、自分の頭で考え独立して行動が必要になるからだと思う。
著者の熱い思いと何故自衛隊を去ったのか。全てが語られている、と思った。

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