新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝、読了。
浅草キッド、玉袋筋太郎著。
新宿で小学生時代を過ごした玉袋の自伝的小説。題名の通り当時のゲーセンの事情もたっぷり出てきます。
新宿に人って住んでるんだ…というセリフが話中に登場しますが自分もそんな印象だ。うらやましい、というかそんな所で小学生時代を過ごしたらどうなっちゃうんだろう?というある意味夢のようなお話かも。高層ビルでドロケー50人大会とか新宿じゃなきゃ出来ない遊びとか。
読んでたら小学生時代のこと色々思い出したよ…。
自分は通っていた学校の決まりでゲーセンは出入り禁止だった。だけど普通に入り込んじゃうのがその頃の?小学生達。お金が無いのでひたすらうまい人のプレイを観戦。ある日インベーダーゲームの筐体がゴミ捨て場に捨てられてるのを発見!それをみんなで一番近い友達の家に運んで、それからはインベーダーはやり放題!つってもその当時ですらインベーダーはちょっと時代遅れのゲームだったけど。でも誰の所有かで揉め始めて大げんか!話が付いて二派に分裂した一派の別の友達の家に運び始めるが余りの重さに挫折して途中に放置して解散、帰宅。結局元の所有一派がそれを回収して、結局元の家に戻ってたりして。
そして、本書でもコジ…ホームレスとの交流が暖かく描かれています。
その件を読んだ時自分も小学生時代にコジ…ホームレスが近所にいた事を思い出したよ…。いつもデパートのゴミ捨て場辺りにホームレスが住んでいた。阪神老血(ろうじ)、というあだ名を付けて一部の過激派小学生はめちゃくちゃからかっていた。名前の由来は阪神の帽子を被っていたのと、血を流していたことがあったから、だったかな…。ググッても見つからなかった、のでここで書いておこう。(そうすればこのページにググッて辿り着くのはあの小学生当時一緒に遊んだ友達だけなはずだ。)
で本書に戻って家が豆腐屋のヤス。1円を豆腐屋から盗んで来る。1円というのは1万円の隠語。
1円だよー!って言わないともしもの時にやばいから。
ここでも色々思い出した…。小学生の時にお金をばら撒いていたNくんのことを。彼も平気で1万円ぐらい持ってきて皆んなにおごっていたなぁ。今考えると何か後ろめたい、暗い事情が合ったに違いないのだが。彼の家をストリートビューで場所を探したけど跡形も無かった。そうこうしている内に小学校とか周辺のよく遊んだ繁華街とかをストリートビューでうろうろとした。懐かしい。あのお店とあの工場はそのまんまで変わっていなかった。あの頃ですらボロく感じていたので、それを今見たらさぁ。でも駄菓子屋はどれも無くあの友達の家も無かった。小学校の側の米屋も無かった。米屋のおっちゃんは学校の先生でもないのに水泳部の指導をしてたんだけど、今の教育事情だと決して許されないよなぁ。でも昔自分が住んでいたマンションは多少ボロくなっていたけどまだあったし、公園もあった。
とか小学生時代に引き戻されてノスタルジーな回顧にタップリと耽ってしまったのは、時代が近いからというのも一因か。新宿と千葉の都市近郊住宅街という事情は大分違うにしても。
でも一番の理由は小学生時代にはあんなやついたなぁという誰しも感じることが出来る登場人物とか、あんなことしたよなーとかの共感力だと思う。日本中の小学生があの頃、いや時代は問わず似たような馬鹿なことをしまくっていたんだと思う。でも時代が違い過ぎたら本書への共感度合いは大分変わってくるかもね。
登場人物では特にダッチョ…。あそこまでの独裁強権暴力型ジャイアンタイプはいなかったけど似たようなヤツはいたし、という小学生の時にいたよなぁ、ああいうヤツ、というのが一杯出てくるんだよね。
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