読んだ本2013年

あくまでも私が2013年に読んだ本で販売年とは全く無関係です。他にも読んだ本一杯あるのですがめんどいので…。
今年は百田尚樹の本ばかり読んでましたが。1位と2位の作品には圧倒されました。この2作品はぶっちぎりの勢い、って言っても1位2位は百田尚樹作品ではないのです。あ、3位も違うか。
3位はどこでもかなり評価高いのですが。1位と2位の作品がそれほど評価されてないのが納得行かないです。
では21位からご紹介します。
●21位
藝人春秋 水道橋博士
水道橋博士の描く芸人愛に溢れた芸人実録集。各芸人の章毎にテーマがありそれに貫いたダジャレやら慣用句がしつこい程繰り返されるのはまるで漫才みたいに思える。畳み掛ける芸。三又又三の章にはとにかく大爆笑。

●20位
風の中のマリア (講談社文庫) 百田尚樹
主人公はスズメバチのマリア。という蜂の世界を描いた本です。スズメバチは30日しか生きないらしい。その中でマリアの短い生涯を描く。スズメバチの生態も詳しく描かれる。これが面白いんだからびっくりだよ。

●19位
AV時代―村西とおるとその時代 (幻冬舎アウトロー文庫) 本橋 信宏
裏本時代で書かれていますが村西とおる逮捕以降。AV業界でのし上がっていく破天荒な様。

●18位
裏本時代 (幻冬舎アウトロー文庫) 本橋 信宏
村西とおると言っても若い人は知らないだろうけど。その昔AV業界にカリスマ的監督がいて。彼のAV監督以前の裏本業界でいかにのし上がっていくか。波瀾万丈、性格滅茶苦茶、カリスマ、銭、振り回される人々。写真週刊誌を独自の裏本配本ルートを利用して立ち上げようというのがメイン。この時点でどれだけ無茶苦茶なことか。著者の客観的な冷めた視点が良い。

●17位
漫画:千と万(1) (アクションコミックス(コミックハイ! )) 関谷 あさみ
著者はエロ漫画家らしいです。離婚した父と娘の二人暮らしの日常。淡々と小さな日常で小さなドラマが。でもそれが良い。ほのぼのとそしてリアルなエピソード感満載。

●16位
漫画:富士山さんは思春期(1) (アクションコミックス) オジロ マコト
これ好き、とかいうと問題あるのかな?大きい女子と付き合う漫画は古くはかぼちゃワインとか色々ある王道パターンかもですが。
ちょっとしたお色気と中学生の切ない恋愛。

●15位
All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫) 桜坂洋
トム・クルーズの次回作はSF大作らしい。Edge of Tomorrow。予告編も公開され始めて知ったのですが原作は日本のラノベ?ってことで読んでみました。うーん面白いだけにせめて上下巻とかの規模で描いて欲しかった。しかしラノベからトム・クルーズ作品ってすごいよね?

●14位
モンスター (幻冬舎文庫) 百田尚樹
整形手術がテーマ。醜女に生まれた女性が整形手術して復讐する。整形手術の裏側ってエグい。
しかし恐ろしいほどの取材力と取材量だと思う。

●13位
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫) 朝井 リョウ
桐島が出てこない群像劇。という意味では「ゴドーを待ちながら」とかその類の映画を思われる向きもあるかもしれません。そしてその仕組が成功していて面白くなっています。
本著は高校が舞台。バレー部のエースが突如として退部。その周辺の人々にスポットを当て、各章が各人物のドラマとして進んでいきます。映画はまだ観てないですが観たいです。

●12位
下北サンデーズ (幻冬舎文庫) 石田衣良
石田衣良著。一言で言っちゃうと劇団内幕青春ドラマ。石田衣良ファン、IWGPファンにはドハマりでしょう。

●11位
総員玉砕せよ! (講談社文庫) 水木 しげる
大東亜戦争の一兵卒のリアルはこれだと思う。というかこれ以上は無いと思う。

●10位
沈まぬ太陽 文庫 全5巻 完結セット (新潮文庫) 山崎豊子
日本航空をモデルに労組問題、 御巣鷹山事故などを描く。国民航空という架空の名前にしてありますが。主人公にもモデルがいるらしい。労組問題から発展して幹部に嫌われ懲罰的な過酷な海外勤務。アフリカ、中東をたらい回し。帰国したかと思えば事故処理。そして再建に関わった挙句に…。壮絶な人生を描く。さすが山崎豊子。

●9位
漫画:のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫) 水木 しげる
水木しげる漫画の中で最高傑作だと思う。水木しげるが自身の幼少期を描く。
「のんのんばあ」は血縁の祖母では無いのだが祖母同様の付き合い。
のんのんばあとの触れ合いのなかで水木しげるが何故水木しげるとなったのかが描かれている。

●8位
永遠の0 (講談社文庫) 百田尚樹
祖父の歴史を辿る内に知ることになる零戦の壮絶さ。オカルトVSサイエンスだった大東亜戦争。
でも一部で言われているように「右翼エンタメ」とは思いませんでした。「右翼」を誤解しているというか。まぁ「右翼」の意味の再定義が必要な昨今かも。
本書は非常に面白く一晩で一気読みでした。

●7位
禿鷹の夜 (文春文庫) 逢坂剛
新宿に鮫がいるとしたら渋谷には禿鷹がいます。鮫とは真逆で悪徳刑事ここに極まれり。とは言っても筋は通す男なのですが。
このシリーズも全部読んでしまいました。

●6位
海賊とよばれた男 上 百田尚樹
出光興産創設者の出光佐三をモデルとした小説。ほぼ実話だが出光を別名の国岡鐵造という人を主人公としてフィクションとして描いている。事件などは実話を元にしているのだがその背景の人間群像などは著者の想像。でもそれがうまくハマっていて面白い。

●5位
不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40)) 山崎豊子
文庫本厚めの5冊なんで長いよ。でも一気読み。フジのTVドラマの時は中だるみして途中大分見逃してましたが。
主人公は陸軍中佐で大本営参謀。終戦時は満州の関東軍説得に当たり満州に。その結果ロシア軍の捕虜になりシベリアで過酷な抑留生活。帰国後は全く畑違いの商社に入社。軍から会社への違いで最初はうまくいかないが緻密な計画と大胆な戦略で徐々に頭角を表していく。過酷な商社間の経済戦争に巻き込まれていく。

●4位
影法師 (講談社文庫) 百田尚樹
永遠の0の時代劇版、と言ったら怒られるか。時代劇調の古い文体がツライのは最初の数ページ。一気に引き込まれます。
そして文庫なのに最後に袋とじが!まぁ言えないけど。

●3位
百舌の叫ぶ夜 (百舌シリーズ) (集英社文庫) 逢坂剛
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第一弾。これがあまりにも面白かったので同作家の「禿鷹の夜」も読んだのでした。
2014年4月にTBSがドラマ放送するらしいですがこれ映像化不可能なんじゃないのかな…?
ていうのはネタバレじゃないよ。妻が爆弾事件に巻き込まれた公安警部倉木。公安らしくとにかく暗い。新宿署の刑事大杉は典型的なオイコラ型刑事。そして殺し屋の「百舌」。
結末にびっくりすること請け合い。そしてさらに著者後書きにもびっくり。その後書きに従って再読するとさらに…驚きの仕掛けが!

●2位
アウト & アウト (講談社文庫) 木内 一裕
著者の「木内一裕」って平仮名で書くときうちかずひろ。そうあの超人気漫画ビーバップハイスクールの作者ですって言っても若い子は知らないよねぇ?超絶人気のヤンキー漫画があったんです。クローズとかに近いのかな…。映画監督やったりしてたのは知ってましたがいつの間にか作家に。そして藁の楯は映画化もされましたが…。(藁の楯はハリウッド映画のSWATとプロットが同じという批判もあるようですが)
本作は元ヤクザで現探偵の矢能が主人公。ヤクザ時代は凄腕だったらしいがそれが返って探偵の地味な仕事には向いてない様子。でもヤクザ時代の知り合いからひょんな事件に巻き込まれていく。
と書くとあーありがちなハードボイルド?と思われる向きも有るかもしれませんがハードボイルドとユーモアがうまく融合している。
そして何よりもすごいのがそのストーリー構造です。章の結末には大抵アッと驚く展開があります。なんでその段階でそんなことが出来ちゃうの?と驚き、次の章では少し時間を遡り別の人物の視点でその謎を解き明かしていく…そしてまたアッと驚く終わり方で次の章へ、という感じで息つく暇もないジェットコースター小説です。
登場人物もそれぞれキャラが立っていてニクい役どころを演出。主人公もヤクザ時代に培った人脈やら能力を活用してその裏社会的事情も面白い。死体処理屋のスペシャリストっぷりとか。超面白いのでオススメです。

●1位
銭の戦争 第一巻 魔王誕生 波多野 聖
常軌を逸する博覧強記、文体、世界観、巻末に次巻の予告編なんて初めて、著者のすごい経歴、等々。5巻の発売が待たれる。即買い即読みをお勧めする次第だ。
出版社の宣伝文→ 「角川春樹が発掘した大型新人! 日露戦争を背景に、魔王と呼ばれた天才相場師を描く歴史ロマン。 」

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