日輪の遺産、読了。
しょぼくれた自身の境遇、そして偶然出会ったしょぼくれた老人の手帳。そこから序盤はいわゆるM資金的な帝国陸軍が終戦直前に秘匿した時価200兆円にのぼる財宝を一攫千金出来るか?、というような物語が唐突に始まり惹きつけていく。
過去と現在が交差しながらの章立て。徐々に真相に迫っていくのだが混乱もせずに、むしろ読み易い。
過去の章はその資金をいかに秘密裏に埋蔵するかという帝国陸軍エリートの暗躍っぷりを描写。
そして行き着くのは戦争の悲劇。戦争に関する小説でここまで残酷で悲しい描写は初めてかも。
その後現代に描写は戻るが、結末はなるほど感爆発のカタストロフィ。
浅田次郎作品を読んだのは初めてだったのだが圧倒的筆力、描写力、キャラの強さ、想像力、造形力。他の作品も読みたくなってしまった。
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